ハードコンタクトを味方にしよう

ハードコンタクトが使える目か、使えない目か自分で判断

ハードコンタクトは適性がある。これはハードコンタクトに慣れて快適に使っていけるかどうかという意味である。うまく使えればいいが、いつまでも慣れなかったり慣れても長い時間使用できないのであれば無駄になってしまう。

ハードコンタクトの一番のネックになるのが異物感だ。敏感な人だと異物感どころか痛くてつけていられなくなってしまう。こうゆう敏感な人は無理してハードを購入してもほとんどが途中でいやになってコンタクトレンズをすることをあきらめたり、ソフトレンズである使い捨てコンタクトに買い替えることがほとんどだ。

ではハードが使えるか使えないかは、どーしたらわかるのだろう。

一番簡単なのは実際にハードコンタクトを試しにつけることである。かならず眼科やコンタクトレンズ専門店にはテスト用のハードレンズがある。度数はあってないがカーブやサイズはその人のデータに適したものがあるはずである。これを入れてもらうのだ。

※注意点として眼科によってはすぐに表面麻酔剤を点眼して検査したがるところもある。麻酔剤を点眼を点眼されてしまうと角膜の知覚が麻痺するからゴロゴロ感や異物感がわからなくなってしまう。表面麻酔剤を点眼しないでもらうことだ。ハードコンタクトお試し用テストレンズ

このお試し用のテストレンズを入れてひざ元を見ながら10分~20分くらい入れた感じで判断するのだ。初めはゴロゴロして異物感が気になる。しばらくすると徐々になれて気にならなくなるようであればハードにして大丈夫だ。
逆に目が開けられないくらい痛いとか目は開けられても痛くて涙で滲んでしまう、慣れるどころか徐々に痛みが増して、とても我慢ができないようであればハードコンタクトは無理だ。こんな人は無理をしてハードにしても絶対慣れることはない。
ハードはあきらめてソフトレンズである使い捨てコンタクトにしよう。

がっかりすることはない。ハードコンタクトが快適に使える人は3割くらいだ。ほとんどの人は初めから痛くて使えなかったり、無理して使ってもつらいので帰ったらすぐ目から外している。ハードを試してみて、これは慣れそうもないと思たら迷わずにソフトコンタクトや使い捨てコンタクトにすることをおすすめする。

長い間使用したハードコンタクトのBCを測定しても正しいとは限らない

時々、ハードコンタクトを持参してきて、このレンズを測定して同じものを作ってほしいと要望されることがある。しかし、これが難しい。何故かというとハードコンタクトのデータで必要なもののうちPWR(度数)とDIA(直径)はほぼ正確に測定することができる。ただしBC(ベースカーブ)は測定はできるのだが、この数値はお客様が購入した時の数値ではないことがある。何故かというとハードコンタクトのBCは使っているうちに伸びてしまうことが多いからだ。例えばBC7.85mmで購入しても半年や1年位使用して測定すると7.95mmや8.00mmになっていたりする。ハードコンタクトの素材はほとんどがアクリルである。要はプラスチックなのだ。だから目の中にいれて瞬きしたり保存液につけていたり、洗浄を繰り返していくうちに徐々に伸びてしまったり劣化してしまったり、歪んでしまうからだ。その伸びたり歪んだものを測定しても初めに購入した時のBCと違っているのは当たりまえのことだ。またBCは素材のプラスチックが水分を含んでいるときと乾燥した時では数値が違ってくる。水分を含んだ時と乾燥時では通常0.03~0.07くらい違ったりする。さらに素材であるアクリルに酸素透過性のシリコンやホウ素を加えるとさらに変化は大きくなる。だから長い間使用してきたハードコンタクトのBCを測定しても購入時のデータを正しく知ることは難しいのだ。まあ、せっかく来たのだから前のデータは参考にして再度検査をして最新のデータで購入することをおすすめする。

新しいハードコンタクトをスペアーとしてとって置きたいとう人に

「ハードコンタクトは突然なくしたりするから、新しいハードを買ってスペアーとしてとっている。」という話をときどき聞く。
ここで老婆心ながらしばらく使用する予定のないハードコンタクトの保存についてアドバイス。ハードコンタクトのドライケースとウエットケース
通常、最近のハードコンタクトは水中ケースといって中に保存液の入った容器に入っていることが多い。これを水に浸けているのでウエットタイプの保存という。これに対して乾いたプラスチックケースに入れたものもある。こちらは乾いているからドライタイプという。
ウエットタイプはハードコンタクトをすぐに目に入れて使うことを前提に考えているから涙で濡れている目の中と同じように濡れた状態で保存すれば目の中に入れてもすぐに馴染むだろうという考えで多くのメーカーに採用されている。
しかし、製造してメーカーで在庫にしていたり、眼科や店舗でいつお客様や患者さんのために在庫していても、すぐに使われるわけではない。長い間、水中保存しているとそれなりに問題が生じてくる。
・例えば容器から徐々に保存液が染み出したり蒸発して乾燥してしまう。乾燥するとともに保存液の成分がハードレンズに吸着して取れなくなる。
・保存液に界面活性剤(洗剤)が入っているものは長い間浸けこんでいるうちにハードレンズに洗剤の成分が浸み込み、目に入れると石鹸を目に入れたように痛い
これらはウエットタイプのケースに入っているハードコンタクトによくある問題だ。ただ、最近はメーカーも勉強して保存液に界面活性剤の成分を入れているところはほとんどなくなった。また以前にくらべケースから保存液が染み出したり乾燥することもほとんどなくなった。製造後5年間くらいであれば問題がないように思える。ただもっと長期にわたって使わないことが考えられるならドライタイプのケースに入れて置いたほうが安心だ。

しばらく使わないハードコンタクトを保存するなら

使わないハードコンタクトを保存するのに3か月や半年くらいであれば上項のように水中ケースに保存液を入れ保存していれば全く問題はない。ただし、1年以上使わないようであればきれいに洗浄してから乾燥させて保存しておくほうが安心だ。

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